抄紙機ロールの加重・荷重分布の高精度制御

事例概要・主な課題

上部ロールを両端で支持する加圧シリンダの圧力を油圧サーボで制御し、ロール加重を制御します。下部ロール内に軸方向に複数配置されたエレメントは油圧サーボにより制御された油圧圧力により上部ロール側に押付力を発生します。各エレメントの圧力を各々制御する事により、下部ロールに軸方向の押付力分布（ニッププロファイル）を形成します。
このロール加重と押付力分布（ニッププロファイル）により得られた適切な力で紙を抄く事により、求める紙質、品質での抄紙を行います。時には20軸を超える複数軸制御が採用されることから個々の軸に用いられている機器の状態監視、維持整備の容易さが求められます。

特徴

抄紙機のロール加重圧力制御、及びロール押付力分布（ニッププロファイル）制御にサーボ弁（D638/D639シリーズ）が採用されています。D638/D639はデジタルエレクトロニクスを内蔵し、上位コントローラとフィールドバスで通信する事が可能であり、状態監視や維持整備作業などを遠隔で行うことが出来ます。また制御軸に使用されているセンサなどをフィールドバスでデイジーチェン接続する事により、多軸制御ながら省配線のシステムを構築することが可能です。D638/D639は圧力センサを内蔵し、制御軸の圧力と流量の2つの制御を行えることから、コンパクトな制御システムの構築に寄与します。

使用製品

• 直動圧力・流量（p/Q）制御サーボ弁

    D638/D639シリーズ

• サーボ制御 モーションコントローラ

    MSC (Moog Servo Controller)