- 制御方法について
油圧・空圧・電動のそれぞれの制御方法の違いについて
【油圧について】
・油圧とは
油圧は、閉ざされた空間に油を閉じ込めてその圧力を離れた場所へ伝え、その力をコントロールすることで大きな力を出すことができる技術のことです。油圧を使った身近な例としては、自動車のタイヤなどが挙げられます。タイヤは地面との接地面積が非常に小さいにもかかわらず、1トンから2トンにもなる車体を支えることができています。この油圧には「パスカルの定理」という基本原理が応用されております。
かつては水を利用した水圧が一般的でしたが、時代の変化とともに変わってきており、今日では油圧がメインとなっております。水は鉄と一緒にすると錆び、劣化を引き起こしてしまうことが課題です。ただ、油の場合は燃えるという欠点があるため漏れが発生しないように注意をする必要があります。
・油圧を使用する目的について
油圧を使用する目的を以下3つのポイントに分けて解説をします。
小型で軽量になること
小型で軽量になることは、油圧を使用することの最大の目的です。機械式の動力の伝達をする場合は様々な部品が必要となり、非常に大きなサイズになってしまいます。
過負荷防止が容易であること
電気式の場合ではブレーカー・ヒューズを使い、機械式の場合はスリップするような安全装置が必要となります。油圧の場合は、バルブがあれば簡単に過負荷を防止することができヒューズのように交換する手間も必要ありません。
油圧シリンダーの寿命が長い
電動や機械式より油圧シリンダーの寿命が長いということが挙げられます。油圧シリンダーは荷重を油圧で均等に受けることができるため摩耗の発生が少なくなります。
【空圧について】
・空圧とは
空圧とは、大気をコンプレッサーによって加圧ならびに圧縮することで、その圧力や膨張力をエネルギー源として機器を動かす技術のことです。空圧は、油圧と同様で流体の力を応用していますが、油圧と比べると比較的低い圧力で使用されます。また、空圧は簡便な設備でかつ火災発生の心配が少ないため、安全な方式であると言えます。自動車や列車などで使用される空気ブレーキなどは空圧が使用されております。
・空圧を使用する目的・ポイントについて
動力源がコンプレッサーであり設備が安価である
油圧と比較をして、設備にかかる費用が少なくて済むため導入しやすいと言えます。
流体が空気であるため汚染の心配がない
油圧の場合であれば、オイル漏れの心配があり周囲を汚染してしまうことがあります。空圧は、流体が空気であるため、この心配がありません。
【電動(アクチュエーター)について】
・電動(アクチュエータ)とは
モータに機構部品を組み合わせた製品のことを指し、またモータは制御性に優れていることから、自動機器の駆動部分に利用されることが多くあります。電動アクチュエータは制御性に優れたモータを採用していることから、油圧・空圧と比べて次のような特徴があります。
・低速の場合でも動作が安定しており、加速・減速をスムーズに行うことができる
・多点停止の運転が可能である
・中にはデータによって位置・速度調整ができるものもある
・電動(アクチュエータ)のメリットについて
・付帯設備が少なく設備費用が少なくなる
油圧・空圧と比較をして付帯設備が少なくなり設備費用が少なくて済みます。
・位置・速度調整をデータで行うことができるため、業務の効率化ができます
電動アクチュエータは位置・速度調整をデータで行うため効率的に業務を行うことができます。さらに段取替もデータで操作するだけで済むため大きなメリットとなります。
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